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(9)さくら戸 筆つむし(全文)


解題

さくら戸 筆つむじ。半紙判変形(22.4×16.7糎)1冊。雪中庵完来自筆の誹諧伝書二点「さくら戸」「筆つむじ」を合綴したもの。雪中庵完来は、雪中庵蓼太の門人で、彼の養子となり、天明7年(1787)に四世雪中庵号と嵐雪伝来の点印とを継承した。房総・東海地方をはじめ、全国に多くの門人を擁した。本伝書は、寛政11年(1799)正月、その門人雪猿呉牛に対して与えられたもの。二巻それぞれ、多年にわたる俳諧執心の深さに感じて蕉門の奥秘を伝授すること、本巻の他見は決して許さないようにとの奥書が備わる。他に類本の報告を聞かず、貴重である。


目録

書名:さくら戸 筆つむし
書名訓:さくらど ふでつむじ
別題:「さくら戸 筆つむち 合冊」(外題)、「さくら戸」「筆つむし」(内題)
刊写:写
書型・冊数:半紙判変形(22.4*16.7)
表紙:錦布
外題:題簽「さくら戸 筆つむち 合冊」(書)
分類:俳諧・作法書(伝書)
著者:雪中庵完来
成立:寛政十一年写
装丁:和紙・和装、康煕綴じ変形
後付:「右桜戸は当流之奥秘也貴殿多年之執心依深厚以神文令伝授畢努々他見有ましきもの也/
 四世雪中庵完来[完][来]/寛政十一己未年正月日/雪猿呉牛丈」「右筆津虫は俳諧本式執 
 筆之法并席上之心得等悉蕉門奥秘之ひとつ也貴殿多年之執心殊ニ依上達令伝授畢以神文誓紙
 之上者努々他見有間敷者也依而奥書如件/芭蕉流蕉門/四世雪中庵完来[完][来]/寛政十
 一己未年正月日/雪猿呉牛丈」
備考:雪中庵完来自筆。料紙は間合紙。
番号:鈴木165
旧番号:911.30ア-0