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(2)『大学』



表紙

巻首

刊記

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解題

板元の岩本平蔵は松本中町の板木屋で俳書等彫板に関った書籍がいくつか伝存する。近世における松本の町板はいくつか知られているが、本書は他に伝存を聞かない。松本の町における出版文化に関わる資料という意味でも貴重であるが、信大蔵書は松本藩儒多湖家の旧蔵書であり、そこに記された書入れや付箋が「大学」というテキストを習得する過程を如実に示しており、当時の儒学教育、また松本藩儒の教養形成過程を物語る好個の資料でもある。


目録

書名:大学
書名訓:だいがく
別題:「訂/本 大学白文」(見返題)、「大学」(内題・柱題)
刊写:刊
書型・冊数:大本一冊
表紙:水縹色無地
外題:左肩白地子持ち枠「大学」
分類:漢籍・経類・四書
彫工:岩本平蔵(刊記「彫工 岩本平蔵蔵刻」)
見返:「訂/本 大学白文」
刊記:「文政元年戊寅冬新鐫/信濃国松本/彫工 岩本平蔵 蔵刻」(後表紙見返)
成立:文政五年冬刊
丁数:8
広告:「論語白文 続刻」(刊記左)
印刷技法:整板
装丁:和紙和装四つ目綴じ
本文:有界九行
印記:巻首方形朱印「多湖氏成美堂蔵書」
備考:多湖家旧蔵。書入れ付箋多し。松本印本。
番号:鈴木54